ファウストの第2部の最後のほうで、
ファウストに対して、「憂愁」がこう語りかける。
―ひとたび私に掴まえられたら最後、
その人には全世界も役に立たなくなります。
永遠の暗闇がおりてきて
太陽の昇り沈みもなくなります。
外部の感覚は完全でも
内部に暗黒が巣食うのです。
(中略)
歓びであれ、苦しみであれ、
なんでも翌日へ延ばそうとし、
ただ未来を待ちうけるばかりで、
いつまでも成熟することはないのです。
(『ファウスト 第二部』 ゲーテ作 相良守峯訳 岩波文庫 1958)
まさにそうだと感じました。
いま、自分に必要なことは、
今、自分が持っているもの、考えているものにたいして、
突き詰めて見つめることで、
心を過去に奪われることではないようです。
問題の中へ入ることです。
いままで、自分が持っていたものを整理して、
なにが問題なのか、もっと深く考え始めることです。
自分に突き詰めた問いを発すること。
逃げないことです。
重要な局面に入ってきました。
でも、逃げません。
もう、逃げません。