夕暮れ間近に
登り始めた、八鬼山峠。 ![]() ここで、大切な出会いがありました。 清順上人供養碑。 尼僧・清順上人は、戦国時代に、 神宮の式年遷宮が二十年ごとに行われておらず、荒廃していたことを憂い、諸国を勧進して浄財を募り、宇治橋を復興し、外宮の造営を苦労して成し遂げました。続いて内宮の遷宮を計画しましたが大望を果たせず、他界された方。伊勢と紀州を何度も往復された。 そのような情熱とともに神宮の式年遷宮は続けられてきました。 今を支える誰かの過去の情熱に深い深い敬意をもって。 日がくれて、道がみえなくなるまで歩いて、歩いて、ヘッドライトの光で、進み、進みました。 進み、進んで。 その時、感じたのです。 「この瞬間を感じるために、ここまで歩いてきたのではないか?」と。 自分の中を、風が吹き抜けていく感覚。意識ははっきりしているが、物質としての身体は闇に溶けていく。 闇には、本来恐れはなく、恐れているのは自分だけで、そこには空虚とは相反する満たされた親密さがあった。 峠あたりの東屋で眠る。 九鬼水軍の拠点だった、九鬼の光は遠い。 僕が東屋の着くと、すぐ何者かのゆっくりと重い足音が聴こえた。 闇を見つめても、何者かは、見えなかった。 眠りにつこうと横になると、鹿たちの声が間近に聴こえる。足音が聴こえる。そこにはいつもある人間と動物の壁はなく、ただ親密な闇が包んでいた。何度も鹿たちの声で目覚めながら、気配をしっかりと感じながら、、、朝を迎える。 ![]() 朝がくる 「道がみえる」というよろこび。 あと、新宮まで60kmくらい。 阿須賀神社の祭まであと1日。 歩けるところまで歩く。 風と共に、早足で、 ![]() 峠を下り始める。
by kkiyono-lp
| 2012-10-25 18:50
| Earth Pilgrim 熊野古道
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