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第十話 ふぶき


「自己を守っての、創造はなく、また救済はありません」




マチャバはつぶやいた。

清水博先生のことばだ。

今夜は、やけにそのことばが響く。


夜は急に寒さを深め、町の雨は雪になった。

街頭も、電話Boxも雪に包まれている。

マチャバは歩いているのだ。 雪の中を。


銭湯でみたテレビの中のニュースキャスターが言っていた。

「この国はどういう枠組みになっていくのか、ビジョンがないんです」



変化していきたい、とマチャバは想う。


「ここまで来た世の中だからこそ、志を持って生きて生きたい」

もう旧くなった手帳に、なんども赤いペンで書き付けていた。

なんども、なんども。


「志」

こころざし。


銭湯で、ゆっくり、心臓の鳴る音を聞いてみた。

そのものになってみた。

心臓の鳴る音になってみた。


「生きている」


生きているなら、「生きて」いたい。



「出すべき波動は希望である」

昔、年始のビールを開けながら、古い仲間と辿りついた、貴重なテーゼ。

それは、最高の一滴みたいに、ずっと胸にある。


今夜はふぶく
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by kkiyono-lp | 2008-02-13 00:10 | 2008年 72の物語

第九話 少年の夢



少年の夢は冒険を生きることだった。

彼は、とくに絵が得意なわけではなく、

運動が得意なわけではなく、

どちらかといえば怖がりで、

自分以外のものを受け入れるのが下手だった。



まわりのものはすべて未知だった。



そんな性格から、彼はたくさんの人の手を焼いてきた。

彼は「わがまま」な子供だった。



「彼は『わがまま』な子供だった。」と彼はいまはちゃんと認められるようになっていた。

しっかりと時間は流れ、少年は青年になった。


好き嫌いも減った。

恐れはまだあるものの、昔より相当軽くなった。



彼は、今、生まれた町から西の方角にある町に暮らしている。

そこで、耳を澄まして暮らしているのだ。

ずっと聴いてこなかった、小さな音を聴くようにして。

沢山の忙しい足音にかき消されていた音を聴くようにして。



それは、突然の出来事だった。

ふらりと立ち寄った中華料理屋で彼は海鮮そばを注文する。

旧正月だからか、まわりはチャイニーズが多い。


「睦月」

親類縁者と仲睦まじくする月から、睦月。

人が再び出逢い、わしゃわしゃする。

団欒する。 食卓を囲む。 そんな素敵な月のはじまりだ。

そして、今日から一年の始まり。

どんな航海になるだろうか。


その中華料理屋が、昔その町より東にある、

彼が生まれた山間の町に住む祖母とよくいった

中華料理屋とおなじ空気が流れていることを彼は感じた。

空気、というよりも、波長というべきか。



―そのとき おもいだした 少年の夢

  少年は 冒険を 書いていた

  こっそり書いていたんだ

  「冒険を生きたい」って感じながら

  
昔、少年だった青年は、今の居場所が判った気がした。


「冒険みたいに生きたい。」

その想いが、彼自身をこの町まで連れてきたこと。

沢山の人の間に紛れながら、ここに流れ着いたこと。

そして出逢いを重ねてきたこと。


彼の名前は 「マチャバ」 

最近は、つまらないことでだまされたり、情報におどらされたり、

人を無力化していくトリックが嫌いだ。

そして、こっぴどく自由と冒険と酒と音楽とそれに類するものを愛している。


マチャバは1ヵ月後に

「秘密を知る旅」を計画している。

手帳にも、旅に関する内容の羅列がふえてきた。

それは、「大きな蜂の巣の都市」と

「音楽の溢れる島」への旅


「冒険はいい。 やっぱり、いい。」


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お知らせ

普通免許を求めて
教習所に通い始めました 笑

←Link中の 「わくわく!普通免許QUEST」随時更新!

大の機械の苦手が冗談みたいなテンションでライセンスを手に入れることはできるだろうか?

とにかくmoveを聴きながら、書いてます。
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by kkiyono-lp | 2008-02-08 03:28 | 2008年 72の物語

第八話 春 立つ 日


季節をわける「節分」のよる

人たちみんな 杜にあつまった


一年間 厄をはらってきたお札や縁起ものを火に還す

神主さんがお払いをして 火がつけられる

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火は生き物のように 振るえて 揺れて 踊った

火の粉は意志をもって どんどん 高い空に 昇っていった

蛍のように ひかって 昇った


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風がおこる

神社の境内を 結界の注連縄を 揺らしてた

火を見守っているのは 人たちだけじゃない

たくさんのいのちが火をみつめていた

そして すこし 暖かさの中で 襟をゆるめてくる


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火をずっとみていた


それは ぼくたちをこえたちから

えねるぎーそのもの


次のあさ

確かに感じた 寒さの中に混じる「春」

変化は 「ここからここまで!」なんて区切られるんじゃなく、

大きなものの中に、小さな変化が忍び込み

やんわりやんわり 変えていく 変わっていく


ベランダで伸びをしたら

黄色い小鳥が横切った


春がはじまるよ




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お知らせ

写真をすこし上向きのやつにかえてみました 笑
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by kkiyono-lp | 2008-02-06 02:42 | 2008年 72の物語

第七話 魔法使いたちの時間


「どこからきたかもわからないもの」

街中に溢れている


「なにが入っているかもわからないもの」

そんなものばっかりに 龍のかたちをした島は埋められていた


日に日に、不安なBGMは大きい音で鳴り出した


「一体、なにが本当なのか?」

「安全って、なんなのか?」

「信頼、ってなんなのか?」



誰だって、「これは、安全かなー? 農薬入ってないかなー?」

なんて疑問を持ちながら、お食事なんてしたくない



でも、かわいそうなのは、龍のかたちの島のひとだけじゃない


名前も付けられず、どこからきたかも知らされず「加工」されるいのちたち


どこかの土で生まれたとしても、それを剥ぎ取られてきたいのちたち

なぜ?


いっぱい 危険な目に合わされてきたから

「どんなことをして、ここまでたどり着いたか分かっちゃたら、そもそも普通の人は買わない」




「工業製品」じゃない。

いのちは。

いのちをささえるのは。


でも、たくさんのお薬をつかって、

野菜を「まっすぐ」にさせたり

「彩り」を美しくする方法を

眠れる獅子の国に教えたのは 

龍のかたちの島の人だった

「かたちのいい野菜じゃなきゃ、売れないぞ」

「虫がかじってちゃあ、市場では売れないなー」

眠れる獅子の国のお百姓さんの耳元でささやいてきたのは

龍のかたちの島の人だったという話だ


そして、そんなかなしいものたちを、無言で支持してきたのが、

龍のかたちをした島の人たちだったってことだ




食品添加物でざらざらになった口で想う

「もうやめにしたい」

いのちをないがしろにすること

じぶんをないがしろにすること

そして結果として未来をないがしろにすること


テレビっていう箱は、なにも教えてくれない

お金のある人の不都合なことは流せないんだから


そんなふうに 龍のかたちをした島は ちょっとくるっちゃってた






魔法使いたちがふえだしたのは

最近だ

僕は、もう24年も魔法の研究をしている

列記とした魔法研究家だけど

(ちゃんとアカデミーが出しているライセンスだって持ってる。)

この年になって「魔法」とはなにかだんだん分かりだしてきた


それは 

「想いをこめて 現実を変えていく力」



「ものに愛を込める」

それは、あったかくて、

素直で、

機械が、がっちゃん、がっちゃんしてつくったのとは違う

人の心を和やかにして

人に自信を与えて

それ自体が光っているもの

料理、お野菜、靴、時計、絵、そして壊れたものを直す「なおしやさん」・・・・・

「ものと出逢うことは想いと出逢うこと」

だれが創ったものなのか、

その先に創った人は笑っているか


それが安全で、信頼だと僕は想う

それこそが「魔法」なんだと想う


もちろん「ことば」だって魔法になりうる

「おはなし」だって魔法になりうる



「正しいことがみえなくなって

疑問だけが

日々を埋めていく時

魔法使い達の時間がはじまる

希望の灯火は

その手のひらの一つ一つの動きから始まって

波動のように広がって

なにが「価値」なのかもう一度、教えてくれる」


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友人の船橋和花ちゃんがBlogをはじめました

リンクさせていただきました。

いままで友人のBlogが名前だけで、

どんな人かわからなかったので、

ちょこっとづつ紹介を書いてみました

(不本意な説明だったら、すいません。 そのときは言ってね)


もう一点

リンクにある、虔十の会の関西広報担当になりました

是非たくさんの人に知って欲しいです

東京の高尾山のことです

http://homepage2.nifty.com/kenju/
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by kkiyono-lp | 2008-02-02 03:46 | 2008年 72の物語