カテゴリ:Story telling( 92 )

左耳

「昨日から、

烏が裏山で沢山鳴き始めたんだ。

季節が変わっていくからかな。」

「そういえば、こないだ誰かがいってたな。

烏は人を導いてきたんだって。 日本にも、

アラスカにもおんなじお話があるんだって。」

季節を運んでくる生き物達。 


蠢。


いっぱい、意味づけをしようと、

じゃぶじゃぶペンキみたいに言葉をつくってきたが、


その裏にはいつも影のように、うにゃうにゃした「生きている」力が蠢いている。

「それをとりだしたい。どのように編みこまれた布なのかが見たい」



朝起きて、蝉と烏の声がきこえる。

蝉もたくさんの声をもっている。

朝から昼になって、夕方になるにつれて、

鳴いている蝉は違う蝉だ。


夜は鈴虫が鳴きだした。

「耳を澄ませば、秋が夏に混じっているのがわかる」


烏はよく話しています。

会話をしています。

そして、夕立がふります。

「自分を冷やすように打ちつける雨・・・」

先日降ったまとまった雨を思い出した。



どっさりこのまちに雨が降った日、

陰陽(ネガポジ)という地下空間で、キャンドルのイベントがあった。


水と大切に付き合う「音を産む」パーカッショニストと、


長い時間や空間や人の身体を緩やかに貫く笛吹きさんと、


様々な結節点の子守唄、「あらわれ」さんが


とてつもなく素敵な時間をくれた。



いろんな旅を音の中でしました。

そして、じわじわ還ってきたとき、






「左耳が、きこえる。


もっとききたい!と意志をもってる」






そう、今は左耳で聴こうとしている。


今、蝉の声が左耳に沁みる。


「聴きそびれたことば、想いの襞はおおいが、

きっとこれからは、勝手は違うはずだ」


(つづく)
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by kkiyono-lp | 2007-08-24 17:48 | Story telling

編み物

大きな編み物があります。

それは、大きな、大きな、丸い、編み物です。

人間には、大切な人に自分の手で編んだ編み物をあげる、という習慣があります。

バレンタインデーに、女の子から男の子へ。

孫から大切なおばあちゃんへ。

お母さんが、幼い僕達のために。


「最近、大きな編み物のことを考えているんだ」

とても大きくて、あたたかいもの。 さてこれはなんでしょう。


アラスカのキングリット族のボブサムさんに、

京都の綾部のハス園で逢いました。

どうしても、ボブサムさんに逢いたくて、関ヶ原発の電車に乗り込んで、

途中、電車が強風で止まったりしながらも、

舞鶴のすてきなたんたんさんのおかげで、ハス園につき、

ボブサムさんに逢えたのでした。



Don’t be afraid of talking about Spirt.

ボブサムさんのStory Tellingのなかで

「Be brave!(勇気をだせ! 勇敢であれ!)」 という言葉が届きました。

新しい価値や行動をしていくとき、一歩後ろに引いてしまうことがある。

勇気は、きっとその引きそうな心をぐっと押さえて、たくさんの光をあたえるのでした。


ボブサムさんに逢えて、彼がアラスカでつったサーモンを少し食べて、

最近ずっと考えていた「意味を紡いでいく」ということに焦点を合わせました。



未来とは自分達でつくっていくものなのでした。

未来の価値は、未来の意味は、未来の常識は自分達でつくっていくものなのでした。

手から手へ、自然から自然へ、受け渡してきてもらってきた命をつかって、描くものなのでした。



ある人が「生きたい未来を、今、生き始める」こと。

それがきっと広まっていくのです。 

もちろん、完璧に生きたい未来を生きられるわけではないです。

ただ向かいたい方向に「変化」していくことはできるはずなのです。



「未来の意味を紡いでいこう」、こうつぶやくのでした。

「答えは一つじゃない。

でも、

意味を紡いでいこうと、変化し続けること、

耳を澄ましていくことはできるはず」、つづけてこうつぶやくのでした。


そうして一歩一歩、自分にできることをしていけば、

それが広がっていくかもしれません。




大きな編み物とは、人と人とのつながりのことなのでした。


君から、彼へ。

彼から、あの子へ。

あの子から、あのひとへ。

あのひとから、あのひとの恋人へ・・・・

一人一人の人間は、編みの目になっていて、

そのつながりが、一つの編み物になって、

地面を被いはじめます。

人間の力をもった人たちが昔つけた「行政区」という、

便利な名前の境をこえて、ずんずん広がっていく。

編みの目に囲まれた人も、きっと編まれていって、

それぞれの色で、つながっていく。

山を越え、街を越え、高速道路や、海や、砂漠をこえて、

編み物は広がって、

この地球全体を包む。



「一つにならなくたっていい。

繋がってさえいれば、一緒に意味を紡いでいく準備と勇気があれば」、

こんなふうにつぶやきはつづくのです。


誰かから大切な人へ、編み物をあげる。

心を編んで、不確かな想いを編んで、希望や、夢や、笑顔を編んで。



「未来はやっぱりつくるものなんだ。

ずっと忘れてたよ。 

これはいつのまにか、

希望や夢を冷蔵庫にしまっておいたまま、忘れちゃっていたんだなぁ、

『自分にはなにもできない』って声を聴きすぎて、

『目でもつぶってればいいや』って潜在意識が選んじゃったんだなぁ」

やられた。

目をつぶらされてた。

やられてた。


でも

「もう、目はつぶりたくない。

もっと、見たい、世界を・・・・」

さあ、目を醒まして歌うのさ。


そして、「ちょっとづつ、生きたい未来を、今、生き始める」、つぶやきながら。

「編み物の編みの目になる」なんてことを、

誇らしげに空を見上げながら、もう一度つぶやいた。


ピッチャーはふりかぶって・・・「なげる!」


(つづく)

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by kkiyono-lp | 2007-08-23 18:24 | Story telling