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第八話 春 立つ 日


季節をわける「節分」のよる

人たちみんな 杜にあつまった


一年間 厄をはらってきたお札や縁起ものを火に還す

神主さんがお払いをして 火がつけられる

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火は生き物のように 振るえて 揺れて 踊った

火の粉は意志をもって どんどん 高い空に 昇っていった

蛍のように ひかって 昇った


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風がおこる

神社の境内を 結界の注連縄を 揺らしてた

火を見守っているのは 人たちだけじゃない

たくさんのいのちが火をみつめていた

そして すこし 暖かさの中で 襟をゆるめてくる


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火をずっとみていた


それは ぼくたちをこえたちから

えねるぎーそのもの


次のあさ

確かに感じた 寒さの中に混じる「春」

変化は 「ここからここまで!」なんて区切られるんじゃなく、

大きなものの中に、小さな変化が忍び込み

やんわりやんわり 変えていく 変わっていく


ベランダで伸びをしたら

黄色い小鳥が横切った


春がはじまるよ




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お知らせ

写真をすこし上向きのやつにかえてみました 笑
by kkiyono-lp | 2008-02-06 02:42 | 2008年 72の物語
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