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熊野古道 ー伊勢路ー ⑯ 闇の中、花の窟につく

曽根次郎坂・太郎坂の甫母峠。
その峠あたりが、楯見ヶ丘。
山から海を臨む。

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海は、母。
山は、父。



二木島の里に一度下り。

二木島峠、逢神峠へ。

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逢神峠は、熊野の神と伊勢の神が出逢う峠という由来がある。

徐福の宮がある波田須をこえて、日が暮れる。

結局、夕暮れまでに、
全ての峠は越えられず、
大吹峠・松本峠は、闇の中すすむこととなった。

闇の中で、峠をのぼりはじめ、峠をこえて、闇の下り坂を降りていく。
足元をヘッドライトで照らしながら。
こういう経験をするとは思っていなかったが、
思いの他、身体は軽く、闇と一体化していくようにさえ思えた。
闇が持っている温かい力を知った。
この経験がなかったら、僕はいつこの感覚を感じることができただろうか。
一人で闇の峠を越えること。
それは言葉にすれば単純だが、
いままで「冒険」が不足していただろう僕には、十分なGIFTだった。

ついに熊野市駅周辺につく。

銭湯が開いていて、ほんとうに有り難かった。
身体の疲れをおとす、とはまさにこのこと。
ゆっくりお湯を悦びながら浸かる。

そして、
ずっと胸にいだいていた、花の窟につく。
闇の中。

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ここまで来たんだ、という実感につつまれた。
by kkiyono-lp | 2012-10-28 18:50 | Earth Pilgrim 熊野古道
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