秩父札所巡礼⑱ 暗くて見えない壁画をみるように ~札所十六番 無量山 西光寺 ~

札所十五番 母巣山 少林寺の境内にも
半僧坊大権現が祀られていました。半僧坊は、天狗で、臨済宗のご鎮守。

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実は、明治以前、札所十五番は 母巣山蔵福寺といい秩父神社境内に在ったということです。
しかし、明治の神仏分離令によって、蔵福寺は廃止され、
札所十五番はなくなりそうになりました.
市内にあった五葉山少林寺を、現在のところに移転して二つの寺を合わせて、
「母巣山 少林寺」となった、とのことです。
秩父神社の中にも、お寺があったのですねー。
全国で、神社とともに「神宮寺」とありますが、それも神社とお寺が一緒にあった姿ですね。

神仏分離
神仏分離(しんぶつぶんり)は、神仏習合の慣習を禁止し、神道と仏教、神と仏、神社と寺院とをはっきり区別させること。
その動きは早くは中世から見られるが、一般には江戸時代中期後期以後の儒教や国学や復古神道に伴うものを指し、狭義には明治新政府により出された神仏分離令(正式には神仏判然令。慶応4年3月13日(1868年4月5日)から明治元年10月18日(1868年12月1日)までに出された太政官布告、神祇官事務局達、太政官達など一連の通達の総称)に基づき全国的に公的に行われたものを指す。―Wikipediaより

明治の神仏分離令から起こったのが、廃仏毀釈。
廃仏毀釈によって、たくさんの仏像や寺院が破壊されたことを、
様々なところで見てきました。

廃仏毀釈(廢佛毀釋、排仏棄釈、はいぶつきしゃく)は、仏教寺院・仏像・経巻を破毀し、僧尼など出家者や寺院が受けていた特権を廃することを指す。―Wikipediaより

それは、日本人の心の世界に吹き抜けた、激しい嵐のように思います。

廃仏毀釈による主な廃寺
内山永久寺(石上神宮別当寺)
大御輪寺(大神神社神宮寺)

廃仏毀釈により破却された神塔
與杼神社宝塔
上野東照宮本地塔
秋葉権現多宝塔
久能山東照宮五重塔
北野天満宮多宝塔
石清水八幡宮大塔
鶴岡八幡宮大塔
諏訪大社五重塔(上社)、三重塔(下社)
吉備津神社三重塔
日御碕神社多宝塔
―Wikipedeiaより

時の流れと共に、ほんとうにそこに神宮寺があったのか、仏塔があったのか、わからない。
これだけ大きな神社さんにもたくさんお寺や仏塔があったと想像すると、
日本人の精神は、私たちがいま感じているものと、かなり違うのではないでしょうか。

神と仏とが混然一体。
一人の人間の身体が、複雑な様々な機能を持った器官から成るように。
小さいランプで灯してみれば、暗い洞窟の中の壁面がみえてくる。読めてくる。



秩父往還の中心部をめぐる巡礼四日目も、午後四時をすぎる。

札所十六番 無量山西光寺 につきました。

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ご本尊は、千手観世音菩薩 おん まか たらま きりく そわか。


こちらのお寺には、四国八十八ヵ所の観世音菩薩像を模した木像がなならぶ、回廊があります。
この回廊は、1783年の浅間山大噴火により命を失った人や家畜の精霊菩提のため造営されたということです。
浅間山ときいて、すっかり富士山のことと思い込んでいたら、この浅間山は、
群馬県と長野県の境の浅間山のこと。

富士山にあるのは浅間神社(せんげんじんじゃ)。群馬と長野の間も浅間山(あさまさん)
これは、「あさま」という言葉が、火山という古語であるから、ともいわれています。

「アサマ」とは、アイヌ語で「火を吹く燃える岩」または「沢の奥」という意味がある。また、東南アジアの言葉で火山や温泉に関係する言葉である。例えばマレー語では、「アサ」は煙を意味し「マ」は母を意味する。その言葉を火山である富士山にあてたとする説。―Wikipediaより

いろんな説がありますが、縄文起源のこの島のネイティヴであるアイヌの人々が、使っていた言葉が、
地名などに多く残っているのは、とても自然なことだと感じます。

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秩父札所巡礼。大きなお寺ではありませんが、小さな古刹がたくさんある巡礼です。
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by kkiyono-lp | 2012-10-07 18:50 | Earth Pilgrim 秩父札所巡礼
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