常楽寺から 札所十二番 仏道山 野坂寺 へ。
彼岸あけ間近。秩父は朝夕急に涼しくなりましたが、まだ昼は暑い。 野坂寺は、母の実家のすぐそばなので、 ずっと身近なお寺。 あらためて、歩いて巡礼道をまわることで、どんなことがおこるかな、。 まず、驚いたのは、 常楽寺を出てすぐに、「成田山」があること。 昔から、知ってはいたんだけど、確かに、それは「成田山」だったんだなぁ。 千葉県の大本山成田山の縁起 成田山新勝寺は、天慶3年(940年)寛朝大僧正によって、開山されました。 寛朝大僧正は、朱雀天皇より平将門の乱平定の密勅を受け、弘法大師が敬刻開 眼された不動明王を奉持し難波の津の港(現大阪府)より海路を東上して尾垂ヶ浜 (千葉県 山武郡横芝光町)に上陸、更に陸路を成田の地に至り、乱平定のため平 和祈願の護摩を奉修し成満されました。大任を果たされた大僧正は再び御尊像と ともに都へ帰ろうとしましたが不思議にも御尊像は磐石のごとく微動だにしません、 やがて「我が願いは尽くる事なし、永くこの地に留まりて無辺の衆生を利益せん」と の霊告が響きました。 これを聞いた天皇は深く感動され、国司に命じてお堂を建立し「新勝寺」の寺号を 授与し、ここに東国鎮護の霊場として「成田山」が開山されました。―大本山成田山Webサイトより 「平将門の乱平定の密勅を受け、弘法大師が敬刻開眼された不動明王を奉持し」。 すごい話ですね。私たちがいつも何気なくみているものの奥には、 こんな物語があるとは。東国鎮護の霊場。 高校生のとき、世界史選択で、受験勉強も世界史。 日本の歴史は中学でおわり。しかも、ほとんど忘れている。 だから、いま、どんどん断片的に歴史を把握してパズルみたいに頭がなっています。 平将門って、ほんとうに歴史上で大きな意味をもっているひとなんだな。 平 将門(たいら の まさかど、-將門)は、平安時代中期の関東の豪族である。 平氏の姓を授けられた高望王の三男平良将の子。桓武天皇5世。下総国、常陸国に広がった平氏一族の抗争から、やがては関東諸国を巻き込む争いへと進み、その際に国衙を襲撃して印鑰を奪い、京都の朝廷 朱雀天皇に対抗して「新皇」を自称し、東国の独立を標榜したことによって、遂には朝敵となる。しかし即位後わずか2か月たらずで藤原秀郷、平貞盛らにより討伐された(承平天慶の乱)。死後は御首神社、築土神社、神田明神、国王神社などに祀られる。武士の発生を示すとの評価もある。合戦においては所領から産出される豊富な馬を利用して騎馬隊を駆使し、反りを持った最初の日本刀を作らせたとも言われる。―Wikipediaより 関東の独立!?「新皇」これはすごい話だ。 歴史はいつもまっすぐに進まない。 独立しようとする人もいた。 神田明神に祀られているのは、平将門なのか。 なんだか、大宰府天満宮の菅原道真みたい。 平将門の乱平定をきっかけに、不動明王が鎮座してはじまった、成田山 平定された平将門を祀ってできた、将門の首が祀られた岐阜県大垣の御首神社、将門終焉の地・茨城県坂東市の国王神社、そして現在の首都東京の神田明神、築土神社。。。 平けくするものとまつろわぬもの。 調べてて、なんか、ほんとすごいな、って思うのは、 江戸総鎮守 神田明神 のご祭神が 大国主命、少彦名命、そして平将門、ということ。 みんな天津神じゃない。江戸とは、もともと、そういうところ、なのか。 これは、東京観がかわる。 ということは、東京を中心とする、関東・東観がかわる。 秩父は、関東平野の奥。 奥に何があるのか、さらに目を凝らしてみよう。 小さな声をきく耳で進もう。 成田山をこえて、羊山沿いの細い道を進んでいく。 そうすると、こんな看板が。 ここで、まさかの「山の神」 この場所は、母の実家からあるいて10分くらいのところなのに、全然知らなかった! でもこの場所に出会うためには、いろんなところに旅する必要があったんだろう。 いまがもっともふさわしいとき。 急な峠を登るとそこには、 大山祇神社。ご祭神は、大山津見神(おおやまつみのかみ) 伊弉諾大神と伊弉冉大神の間に生まれ、富士山の木花咲耶姫(このはなさくやひめ)伊豆半島・大室山の磐長姫(いわながひめ)の父。 大山津見神は山の神。「津」はひらがなの「の」。「見」=「み」は神霊のことなので、 「偉大なる山の神霊」ということ。Great spirit of mountainか?こうすると、ほんとネイティブアメリカンのスピリットに似てます。 この場所は、札所十二番の少し山側にあたるところ。 野坂寺と関連深い。というか、共にあったんだ。 看板にある、思いやりの木を植えたのが、野坂寺の和尚さん、というところに現れている。 そうかー、自分のなじみ深いお寺の裏には、山の神様が祀られていたんだなー、と感慨深く、 札所十二番 仏道山 野坂寺 到着。 ご本尊は 聖観世音菩薩 おん まか きゃろにきゃ そわか こちらのお寺の縁起もおもしろいです。 昔、甲斐の国の絹商人がいまのお寺があるところを通りかかったとき、山賊に襲われた、南無観世音を唱え続けたら 肌に身に着けていたお守りが輝き、賊どもは眼を射られて逃げ去ったとのこと。 そして観世音様に感謝してこの地にお寺を建てた、ということです。 この縁起の絵を見ると、僕はラピュタの最後の方のシーンを連想します。 「目が、目が!」 まばゆい光に目を射られる、という「奇跡」は、 全世界共通じゃないかと思いました。 それは「光」の性質。まっすぐに射る。物凄い早さで。 それが光。 「この愛はメッセージ!祈り!光!!つづきをもっときかせて!」小沢健二/戦場のボーイズ・ライフ この歌詞って、すごい。 なんだか、巡礼的?では。 お寺や神社の縁起は、ほんとうに面白い話がいっぱい! 僕たちのご先祖様が、どのように物語を伝えてきたか、 そして、世界をつくってきたか、体温をもって感じられる!
by kkiyono-lp
| 2012-10-03 18:50
| Earth Pilgrim 秩父札所巡礼
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