秩父札所巡礼⑬ さまざまな信仰が、重なりあって~札所十一番 南石山 常楽寺~

札所十番から十一番に向かう途中でみつけた「武州奥山半増坊」の石碑。


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「奥山半増坊」、という言葉ははじめて聞いたけど、
調べると、予想してないことだった。

奥山半増坊は、の静岡県にある方広寺の「鎮守の神」であって、
「鼻高天狗」だということ!
天狗、きたー! ついに!
いつかくるとおもってたけど、ついにきたー!
鎌倉の建長寺にも鎮守として半増坊が祀れているそうです。
知らなかったー。

その姿、よく祭祀でみる猿田彦に似てる。

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ここにも、似ているものがくっついていくという、神話の性質が生きているのか。

秩父には山がある。山あるところには天狗あり。ということか!
面白いのは、静岡県の方広寺は、臨済宗方広寺派の総本山。
鎌倉にある建長寺は、臨済宗建長寺派の大本山。
禅宗である臨済宗の鎮守が、半増坊―鼻高天狗。。。
凄すぎる。
天狗という、あっちの世界とこっちの世界の狭間にある存在が、鎮守。
禅宗の見方が変わりそうです。

この石碑の隣には、

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このお社があって、どのような社なのか判別できなかったのですが、
柱の下に小さく「御嶽神社」というふうに書いてありました。
なんだか僕は、武甲山―蔵王権現社―山伏―天狗―半増坊権現と連想してしまいます。
そのような回路が見えるような。
このお社に祀られているのが、半増坊大権現なのか。

半増坊大権現の真言は おん なんのうちりちり そわか

新たな信仰と、その後ろに様々な願いを持った人たちとの出逢った気持ちです。



さらにいくと、僕の家族も子供のころから「こくぞうさま」と呼んでいた、
虚空蔵寺に上っていく階段がありました。小さいころから、1月の縁日にだるまを買いにいった思い出があります。

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ここだったのか。
この虚空蔵さまは、「秩父十三仏」の一つ。
またの機会に伺いまーす。


この日は別件で、ここまで。

そして、巡礼四日目。
彼岸がそろそろあけるころ。

札所十一番 南石山常楽寺 へ


そして、お寺の入り口に行ってみると。

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おお!
これは、不思議。道の半分だけ鳥居!
ミステリーハンターのアンテナが、ぴぴぴぴ、と。
ということで、まず鳥居をくぐってみることに。

すると、常楽寺の参道からわかれて、鳥居が続く。
まずは、上之台琴平神社。


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琴平神社のご祭神は、大国主命の和魂(にぎみたま)の大物主なんですね。
大物主は、奈良の三輪山にある大神神社のご祭神となっています。
大国主・事代主・建御名方命、国津神と呼ばれる神への信仰の根強さを感じます。
国津神の「津」は、ひらがなの「の」ですから。
国津神=国の神。
弥生文化がやってくる前に、この島にあった、縄文の狩猟採取生活を代表する神たち。

さらに鳥居を進んでいくー。
9月の末だけど、まだまだ蚊がいっぱい!

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そして、上之台稲荷神社へ。
奉納されている鳥居も多い、お稲荷さん。
ちなみに、お稲荷さんの祭神は
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)

実は、この神社のお名前は知っていたのですが、
物心ついてから、来たのは初めてでした。
常楽寺も、上之台稲荷神社も、僕の生まれた町内なのに!
10月8日にお祭りなので、今年はいってみます。

さて 
札所十一番 南石山常楽寺

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ご本尊は、十一面観世音 おん まか きゃろにきゃ そわか

もともと常楽寺は、もっと大きなお寺さんだったようですが、
1878年(明治11年)秩父の大火で類焼したそうです。

秩父大火?!
秩父の市街の約4万坪、447棟を焼け尽くしたとのこと。
ぜんぜん知らなかった!!!!
これ、秩父の中心部を知るためにすっごい大事だ。。。。
秩父の中心部には、130年を越えるような建物って、ほとんどないんじゃないか!?

常楽寺の縁起

その昔、この寺の住持、門海上人は仁王門建立を志し
多年観化に心をくだきましたが、普譜なかばにして思い病いとなり
本願の達しがたいことを憂い本尊に快気を祈りましたところ、ある夜
黄面の老僧、金銅神を下がいて現れ「門海の病気吾能治すべし」と云い金銅神
に上人が宿を引立てられるところで夢さめ、たちまちに病い全快し仁王門建立
の本願を達したと云う縁起があります―寺内「市指定史跡」看板より


この縁起の中で僕が面白いな、と感じるのは
「ある夜」というところ、
様々なことのはじまりは「ある夜」起こる。
前触れなく。
「ある夜」スイッチが入る。
「ある夜」一番ふさわしいことが起こる。
僕たちは、そういう世界で生きている。ほんとうは。


常楽寺と、上之台琴平神社・上之台稲荷神社
きっと明治時代の神仏分離までは、一緒にあったんだろうな。
私たちが、別々とおもっているものが、実は共にあったということを知ること。
それは、世界との向き合い方を変える、一つの面白い方法。
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by kkiyono-lp | 2012-09-30 18:50 | Earth Pilgrim 秩父札所巡礼
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