埼玉県の名前の元は、県北にある、さきたま古墳群からきている。
埼玉県出身だが、さきたま古墳群にはいったことがなかった。
生まれたときから、埼玉県は埼玉県。その名前の源流をみたことはなかった。
土を盛る。
高い場所をつくる。
そういう大きな事業は、
人間に深く内蔵された価値観の反映なのかのしれないと感じる。
現生人類の、脳のハードは、誕生から変わっていない。だから、ある程度、僕たちは古代の人たちと、同じインプットができれば、同じアウトプットができるのではないか、と感じる。
ただし、違うこともあると思う。
それは、オリジナルは強いってこと。
純粋で強く、はっきりしている。
古墳は、その上に植物が生えていく。
生きているのが目に見えてわかりやすい。
石を組む事業が、不変の象徴なら、土を盛る事業は、生成変化。
そこにはバッタが生きて、それをとる蟷螂が生きて、鳥たちがついばむ。ついばむ。
私たちの住んでいる島にすんでいた古代の人々は、どこか血がつながっている人々は、そういうものが生まれてくる精神の土壌を持っていた。美意識の土壌をもっていた。
前玉神社へ参詣。
古墳の上にある神社。
埼玉は、幸魂(さきたま)の土地。
そんな風に、しっかりと徴をみつめれば、自ずから各々の地域の美しさは顕れ出てくる、と感じます。
そのような「みつめること」を続けていきたいのです。